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社会薬学に「配布物活用がかかりつけ薬剤師制度に与える影響」の論文掲載

配布物活用がかかりつけ薬剤師制度に与える影響—かかりつけ薬局機能を満たす群と満たさない群との比較— (jst.go.jp)

【目的】
2025年にはすべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つという方向性が打ち出されたが、この制度が患者に十分に周知されていない。本研究では、かかりつけ薬剤師に関する配布物の活用が、新たにかかりつけ薬剤師制度を利用した患者数、相談者数および相談内容に与える影響を明らかにすることを目的とし、かかりつけ薬局機能の評価指標(KPI)を用いて、KPI薬局群と非KPI薬局群に分類し比較、検討した。

【方法】
かかりつけ薬剤師に関する配布物の配布前期間(配布前)を2021年6から8月とし、配布期間(配布期)を2021年9から11月として配布前から配布期における、新規かかりつけ患者数、相談者数および相談内容を調査し、KPI薬局と非KPI薬局で比較した。

【結果】
新規かかりつけ患者数の中央値(四分位範囲)は、KPI薬局群(7軒)では、配布前0人(0.0、1.5)から配布期4人(2.5、10.5)と増加したが(P = 0.019)、非KPI薬局群(4軒)では、配布前、配布期ともに0人(0.0、0.0)であった。相談内容のうち、残薬および健康に関する相談件数の割合が、KPI薬局群では配布期にそれぞれ増加したが(P = 0.031、0.047)、非KPI薬局群では増減する相談項目はなかった。
【結論】本研究は、KPI薬局群において、配布物の活用が、かかりつけ薬剤師制度の利用者拡充につながることを示した。KPI薬局で配布物を活用することは、患者が薬剤師の職能を理解し、かかりつけ薬剤師制度のメリットを実感する上で役立つであろう。

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