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医療薬学に「Effect of Collaboration between a Community Pharmacist and Physical Therapist for Patients with COPD」の論文掲載

薬局薬剤師と理学療法士の連携が慢性閉塞性肺疾患患者の治療効果に与える影響

抄録

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,呼出障害であるため吸入薬を吸うことが難しい.COPD患者に対して,薬剤師と理学療法士が連携し吸入指導に呼吸法の練習を取り入れること(リハ吸入連携)が,吸入方法,及び臨床指標値の改善につながるかを検討した.吸入方法スコア(息吐,吸気,吸気時間,息止:0(不良)~8点(良好)),及びFEV1,CATスコア(0(良好)~40点(不良)),6MWTの臨床指標値をリハ吸入連携0ヵ月,3ヵ月時点で測定した.対象は39名であった.吸入方法スコアは,病期ⅠとⅡでは中央値6.0から8.0(P < 0.001),病期ⅢとⅣでは3.0から7.0(P < 0.001)と改善した.また,吸入方法の軽度改善群(0—3点)に比べて,十分な改善群(4—8点)では,病期ⅠとⅡにおいて6MWT(軽度 vs 十分,0 m vs 48 m,P = 0.005)を,病期ⅢとⅣにおいてFEV1(-0.10 L vs 0.02 L,P = 0.013)とCATスコア(1.0 vs -3.0,P = 0.024)を改善した.リハ吸入連携がCOPD患者の吸入方法スコアを改善し,吸入方法が十分に改善した者は臨床指標値を改善することを示した.リハ吸入連携は,COPD治療における薬物療法の効果を十分に得る上で重要である.

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