https://doi.org/10.15032/jsrcr.23-28
【背景】吸入療法は気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患治療において重要であるが,保険薬局において吸入指導を拒否する患者が存在する.
【目的】吸入薬の継続使用患者に対する医師提案による吸入指導の承諾割合,及び吸入手技を明らかにする.
【方法】医師から吸入指導依頼があった吸入薬継続使用患者を対象に,医師提案の吸入指導承諾割合,及びそれら患者の吸入手技を後方視的に調査した.
【結果】解析対象107名のうち,医師提案の吸入指導承諾患者104名(97.2%),拒否患者3名(2.8%)であった.
医師提案の吸入指導承諾患者104名のうち,薬剤師提案の吸入指導承諾患者44名(42.3%),拒否患者33名(31.7%)で前者の吸入手技不良割合は4割であったが後者は7割を超えていた.
【結語】潜在的吸入手技不良患者が多数存在する中,吸入薬継続使用者に対して保険薬局で確実に吸入指導を行うには医師の吸入指導依頼が重要である.